アドブルーって何?
ディーゼル車の排気ガスを浄化するために必要な液体の事。
排ガス規制が緩かった時代のディーゼル車にはアドブルーは必要ないが、最近のいわゆる"クリーン"ディーゼル車はほとんどアドブルーが必要。
数年前に勃発したフォルクスワーゲンを代表とした排ガス不正問題。あれ以来業界は規制に対してより厳しくなった。それまで実は多くの車メーカーは、排ガス規制に合格しているかを量産前に受験するイベントにおいて、それ専用の走行モード(パワーを抑えて排気ガスを少なくするようなモード)を準備して、そのイベントに合格させていた。
車のECUにいわゆる裏マップを用意して、試験走行でのみそのモードに飛ばすという手法など、メーカーによって手法は様々だと思うが、要は"インチキ"をしていた訳だ(私見)。
しかし先述のVW問題で、業界全体が襟を正す必要が出てきて上記の手法が使えなくなったため、最近のディーゼル車は排気ガスを浄化するアドブルーがマストで必要になってきた。
ワタクシは現在VWのトランスポーターに乗っているが、前車も一世代前の同じVWトランスポーター。どちらもディーゼルエンジン。
↓前車T5でキャンプしている写真。この時はアースカラーにハマっていて車もテントも茶色系だった。今見てもこの車の色は中々グッド。
この車は2013年式だったが、ディーゼル車にも関わらずアドブルーは不要だった。その後2015年ごろにVWの排ガス不正問題が勃発。そしてワタクシの現車は2018年式のトランスポーター。きっちりとアドブルーが必要になってきている。(実に分かり易い対応)
トヨタ車でも例えば最近では、ランクルのプラド、ハイラックス、ハイエースなどのディーゼル車でアドブルーが必要。
そんなアドブルーについて、何点か知っておきたい知識を書きたいと思う。
定期的な補充が必要
アドブルーは定期的な補充が必要で、ガソリンスタンドなどで補充できる。ただガソリン給油のタイミングで補充するといったような煩わしいサイクルではない。
車によると思うが、容量10Lくらいの専用タンクに補充することになり、アドブルーのいわゆる"燃費"は1,000km/Lくらいある。つまり1回アドブルーを満タンにすると10,000km以上は補充しなくてOKなのだ。
大体の車はガソリンコックの近くに、分かり易く(アドブルーなのでブルー色)配置されていて、ガソリンと同じようにブスっとノズルを刺して入れる事になる。
どのガソリンスタンドにもある訳ではない
ディーゼル車の普及率が低い日本では、どのガソリンスタンドにもアドブルーが置いてある訳ではない。
最近でこそマツダのおかげでクリーンディーゼルの持つ低速トルクの大きさから来る運転の楽しさが日本人に浸透しつつあるが、ディーゼル車は旧都知事にせいで日本では悪いイメージが定着したまま。欧州ではベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ…などのディーゼル車がガンガン走っている。
日本では、トラックはほぼディーゼル車なので、トラックがよく利用しそうな、港や高速道路インターの近くのガソリンスタンドには割とアドブルー置いてある。
まぁ10,000km毎の補充なので、10,000km/年走行する人でも1年に1回そんなガソリンスタンドに行けば良いだけなので実害はほぼない。ちなみに値段は110円/L程度。10L入れても1100円くらいなので安い。
メーカーによってはディーラーで入れるように指定しているが、ディーラーでは当然値段高いので行く必要は全くない。
走行中にアドブルーがなくなったらどうなる??
10,000kmに1回の補充頻度とは言え、走行中にアドブルーがなくなってしまう事も可能性がゼロではない。もしそうなったら、排気ガスが少し汚くなって環境に影響与えてしまうが、自分の車には影響ないんじゃないの?と思いがちだが、実は無視できない問題が発生する。
先述の排ガス不正で業界が襟を正した訳だから、アドブルー切れたまま公道を走れる仕組みを許している訳はない。それが許されたら誰もアドブルー入れないもんね。
発生する問題。ずばりエンジンが始動不可になるのだ。多分どのメーカーも同じ仕組みのはず。もしかしたらレギュレーションで決まっているのかも知れない。
ここでよく理解したいのが、「エンジン始動不可」の意味。これは運転中にアドブルーがゼロになったらいきなりエンジンが止まるっていう意味ではなく、そのまま普通に走行可能。
ただし、エンジンを一度切ってしまうと再始動できなくなるという意味。なので走行中にアドブルーがなくなっても慌てずそのまま走行し、アドブルーが置いてあるガソリンスタンドを探せば良い。ガススタ以外にも、通常オートバックスとかにも置いてある。
予備のアドブルーを準備しておくと安心
走行中にアドブルー切れの後、思わずエンジン切ってしまう事もあり得るので、予備のアドブルーを持っておく方が無難かもしれない。車のトランクに積んでおくなら5Lサイズか10Lサイズになると思う。商品としては20Lサイズまであるがさすがに大きいし、車のアドブルータンクは大きくても15Lくらいだと思うので20Lタイプだと少し余ってしまう。一度開封すると酸化の影響で長期間は保管できないみたい。
自分は最寄りのガソリンスタンドに売っていた10Lタイプを予備としてストックするようにした。ノズルも付属しているのでこのまま補給する事ができるとの事。
アドブルーはネットでも購入できるが、少し値段高め設定。Amazon最安でも10Lで1500円くらい(自分はガススタでは1100円のを買った)。買いに行くのが煩わしい人や、近くに売っていない人はネットで買えば良いと思う。
まとめ
定期的にアドブルーを車に入れるのは煩わしい感じがするし、実際に少しだけめんどくさい。だが地球環境の事を考えると可能な限り排気ガスを浄化する必要がある訳だししょうがない。
またディーゼルエンジンは低速トルクが大きいのが特徴なので、街中をストップ・アンド・ゴーするような乗り方には向いているエンジン。特に車重の大きいミニバンなどには最適。高速域が苦手なイメージあるけど、ターボのような過給機が付いていれば特に不満なく走れる。
トータルで考えると、10,000km毎のアドブルーの追加くらいはほとんど障害にならないと思う。この先押し寄せてくる電動車の充電待ち時間の方がよっぽど煩わしい気がする。